【実機評価】HPのデスクトップ:HPE 390jp レビュー(2010/12月)
■サイト内の関連ページ: 直販サイト『 日本HP 』ブランドを徹底評価
今回は、Pavilion Desktop フラッグシップモデル、HPE 390jp/CT
のテスト機をお借りする機会がありましたので、実機でのベンチマークテストも交えたレビュー評価を以下書いて行きます。
本機の外観から解りますように、他のBTOショップブランドPCとは、一線を隔するきれいな仕上がりの流線型フォルムのケースが使われているのが大きな特徴です。
このカテゴリーでは、前に挙げた3Dゲーム度のチェック項目を調べながら、各社の代表的3Dゲームパソコンを紹介していますが、本機はフラッグシップモデルということで、本格サーバー(※サーバー・ワークステーション入門参照)としての機能を備えている点も大変ユニークです。
まず、このモデルはファイナルファンタジーXIV 推奨認定モデルもあり、その動作推奨条件のビデオカードである、NVIDIA GTX460(1GB) をBTO選択できるという大きな特徴があります。テスト機のカードは、当然これを実装していました。
まず、テスト機のCPUとグラフィックカードについて、チェック確認して見ました。
【主要パーツの実装をチェック】
ハイエンドモデルということで、
CPU:Core i7 -980X extream Edition
(6コア12スレッド)
3.33 GHz、TB時最大 3.6GHz
1.5MB L2 キャッシュ
12MB L3 キャッシュ
QPI 6.4GT/s
グラフィックカードは、
NVIDIA GeForce GTX460 1GB
Direct X11対応
CUDAコア=336
SP clock=1350MHz
GPUコア速度675MHz
メモリ速度DataRate
:3.6Gbps
【3Dゲーム度の面からチェック】
@ビデオカード塔載GPUとビデオメモリー:どの程度ゲーム向きか?
先に書きましたように、今回のテスト機には、BTO選択可能なカードのうちの最高性能のNVIDIA GTX460(1GB) 仕様でした。ファイナルファンタジーXIV 動作には、このカード以上の性能が(推奨)要求されているため、現在かなりの売れ筋人気カードです。
2スロット取り付けで、VGA専用電源コネクタは8ピンでした。
DVI-I 端子 x 2、
また、上部にSLI動作のための、接続ブリッジコネクタ用の取り付け部が見えます。
本品の製造メーカは、不明ですが、HPブランドOEM品でした。
(参考ページ:3Dゲーム用グラフィック・チップ(GPU)性能比較・評価一覧表をご覧下さい。)
今回、テスト機で、最新版の3DMark11 を取って見たのですが、結果は残念ながら出ませんでした。現在のところ、まだバグと思われるところがあるようで、これは、プラットフォームとの相性のような形で現われるようです。
本テスト機の場合、3DMark11のスタートをかけますと、実行の途中でフリーズしたように停止してしまいます。これは、大原雄介さんのページでも公開されていますが、3DMark11Workload1.exeが停止する現象です。
dxsetup.exeを起動してDirectXを更新、あるいは、D3DCompiler.dll、d3dx10.dll、d3dx11.dll、などを上書きする(3dMark 11 doesnt start)と、直せるようですが、今回はお借りしたテスト機でもあるため、大変残念ですが、途中で止めて置きました。
このため、3DMark06 B120 ベンチマークを取って見ましたところ、結果のスコアはかなり高いものでした。
【3Dベンチマーク:3DMark06 の結果スコア】
【3DMark06 B120】
総スコア:21146、
SM2.0スコア:8211、
HDR/SM3.0スコア:9236、
CPUスコア:7215
(但し、解像度 1280×768 None Anti-Aliasing )
(中央の三角ボタンをクリックで、視聴出来ます。)
(テスト機の3DMark06 ベンチCanyon flight シーン )
さらに、ファイナルファンタジー推奨認定を取ったモデルPCでもあるので、FFXIV公式ベンチ(オフィシャルベンチマークソフト、ダウンロードページ)を取って見ました。
【ファイナルファンタジーFFXIV公式ベンチの結果スコア】
Low(1280 x 720)でのスコア:4730前後(種族「ヒューラン」男、女で)
この数字は、下記の判定レベルで快適動作に属していました。
実は、もう少し上の性能が出ると思っていたのですが、FF14のグラフィックがうわさの通り綺麗で、高精細なため、(CPUの性能を上げるよりも効果のある)グラフィック性能が必要なようです。(※参考:3DMarkベンチのスコア計算法から見た性能アップ研究)
・8000以上:非常に快適
非常に快適に動作すると思われます。お好みの設定でお楽しみください。
・5500〜7999:とても快適
とても快適な動作が見込めます。描画クオリティを高めに設定しても、とても快適に動作すると思われます。
・4500〜5499:快適
快適な動作が見込めます。描画クオリティを高めにしても快適に動作すると思われます。
・3000〜4499:やや快適
標準的な動作が見込めます。余裕が有れば描画クオリティの調整をお勧めいたします。
・2500〜2999:普通
標準的な動作が見込めます。
(中央の三角ボタンをクリックで、視聴出来ます。)
(「ヒューラン」女のシーン前半部分)
A塔載のCPU:?
本機は、フラッグシップモデルのため、Core i7 -980X EE(6コア12スレッド)、 Core i7 -960(4コア8スレッド)、Core i7 -930(4コア8スレッド)からBTO選択できます。
Core i7 -930でも2.8 GHz、TB時最大3.06GHz、8MB L3 キャッシュ、QPI 4.8GT/sですので、ファイナルファンタジーXIV 推奨認定PC仕様となっています。
B塔載のメインメモリー:?
標準仕様は、6GB(2GB×3)のようですが、テスト機には、写真のHinix 純正品のDDR3、4GBが6枚で、合計24GB(トリプルチャネル仕様)が付いていました。
型式:4GB 2Rx8 PC3-10600U-9-10-B0、HMT351U6BFR8C-H9 NoAA( 両面実装16チップ BGA)。
これは申し分ない大容量、高速仕様です。
C塔載のハードディスク:?
標準仕様は、1TB のようですが、テスト機には、信頼性の高いSeagate製の、1TB (SATA-2)が1基と、(高速化のための、)OSがインストールされた、SSDが1基ついていました。
SSD:160GB、intel SSDSA2M160G2HP
HDD:ST31000528AS (S-ATA2 7200rpm)
SSDは、下の写真のHDDの下側にあるため見えません。
(←貸し出し機の擬似BTXケースの右側サイドカバー開けた所)
D信頼性・その他:
3Dゲーム機は、GPUやCPUの負荷率が高くなりますので、発熱が多くあり、冷却が十分かどうか。電源容量が十分か、どうか。
電源には、 460W(DPS-460DB-3A)、静音設計の電源を標準搭載でした。パワーに不足はないと思います。電源メーカーは、DELTAエレクトロニクスのラベル表記があり、HP社のOEM品と思われます。
ケースの大きな特徴は、BTX構造の仕様である点です。ケースの取り外しカバーの面が、ATX と逆の右側面であることに注意下さい。
正確には、BTXではなく、注意深く見ますと、マザーボードと電源は、ATX仕様品を倒立させて部品の共通化を図った匠な設計です。(初心者のBTX フォームパソコン入門参照)。
このBTX規格シャーシから、(ATX規格ケースに対して)冷却が必要な主要部品を効率よく冷やすための部品配置とエアーフローの確保が行なわれました。(ただ、ATXとの互換性がないパーツも出るため、現在もまだ、あまり普及はしてないようです。本機も擬似BTX構造の専用ケースです。)
写真のように、左下奥のハードディスク2個も垂直方向に縦置きにされ、マザーボードの主要発熱部品が、水平に直線上にレイアウトされてるために、エアーフロー(ほぼ左から右へ)中に自然と置かれ、右側の冷却ファンで排気されることになります。(ケース上方にあがった熱は、電源内のファンで排出される。)
CPUやHDD、メモリーなど熱に弱い部品がケース下の方の通気がよい低温度エリアに配置され、パソコンの信頼性が高まっているのがよく解ります。
以上ケース内部の冷却性は、十分ある構造となっています。使用環境の温度表示は、大手メーカーで標準的な温度 5 〜35℃でした。 また、ケースサイズをチェックすると、寸法が、高385×幅170×奥420mm、重さが約 11.9kg でした。
次に重要なパーツである、マザーボードは、基板上にPegatron というシルク印刷文字がありました。
これは、信頼性の高いマザーボード製造では著名な、ASUSTek社の生産子会社です。また、CPUZ のチェックから、型番2A86 のようです。
このマザーは、Intel X58 Expressチップを採用のものですが、このチップセットは、Core i7 やDDR3タイプのトリプルチャネルメモリーに対応し、全体的なシステム・パフォーマンスを向上させた最新のものです。
また、HP社のOEM製品と思われ、マザーボードに専用インターフェースカードを搭載し、ケース背面にUSB3.0拡張ポートが2個出ています。
【サーバー機能面からチェック】
●ハードディスク構成
本機は、購入時にハードディスク2基のRAID構成を選ぶと、ストライピング(RAID 0)か、ミラーリング(RAID 1)を選択できます。
ミラーリング(RAID 1)というのは、文字通り、全く同一の現在のディスク内容が2つ常時取れているという、サーバー機能としては必要不可欠のものです。(ストライピング(RAID 0)は、ディスクの読み書きの速度がほぼ2倍高速化されるというプロ仕様です。)
この辺は、図柄入りの詳しい説明が、このページの下の方にありますのでそちらをご覧下さい。大変解りやすく書かれています。
上の2つの機能を合わせた、RAID 0+1 が設定可能な(4基のHDDとなる)レイド構成は、BTOカスタマイズ欄には、残念ながらありませんでした。これがあれば、本格サーバーとして鬼に金棒、ベストな構成になります。
【ユニークな機能】
さらにハードドライブについては、ユニークなものが備わっています。
●ポケット・メディア・ドライブ(2.5インチHDD):
もうひとつ、2.5インチHDD用として、電源を入れたまま着脱可能なポケット・メディア・ドライブ用スロットがフロントベゼル中央に配置されています。(カバーを押すと開く)
ドライブは、購入時に、320GB/ 640GBから選択搭載でき、内蔵ハードドライブと同じように使用したり、外付けのポータブルUSBハードドライブとしても活用できるされています。(携帯用キャリーケースも付属)
その他の魅力的な機能に
●フロント右上部にハードドライブアクセスを知らせるLED(15in1各種メディアスロットの右側)や、電源スイッチ(天板上にあり)を集約。
●FF14モデルでの特典:ファイナルファンタジーXIV推奨ゲームパッドとファイナルファンタジーXIVコレクターズエディションが貰える申込み用紙付き
●安心の東京生産
などがあります。
以上のハードウェアチェックから、BTOパソコンメーカーとしての一般想像より、良心的なパーツ採用、信頼度の高い設計思想などが感じられました。
以上、日本HP社のフラグシップモデル HPE 390jp/CT について、その性能面を中心にしたレビュー評価・紹介でした。
納期は、上記のカスタマイズ・スペックで、5日以内(フルカスタマイズモデルでも5営業日)とかなり早い出荷です。
価格は、ファイナルファンタジーXIV 推奨認定PC 冒険Readyモデルで、OS、Windows 7 Home Premium 64bit インストールの場合、¥221,760 円〜です。なお、モニターは付属しません。
Pavilion Desktop フラッグシップモデル、HPE 390jp/CT
※参考)本モデル<HPE 390jp/CT> 一覧のページ
には、
・カスタムモデル、
・100円アップグレード・フラッグシップモデル
・ファイナルファンタジーXIV 推奨認定PC 冒険Readyモデル2(¥119,700円〜)
・ファイナルファンタジーXIV 推奨認定PC 冒険Readyモデル(¥221,760 円〜)
がありました。
■サイト内の関連ページ: 直販サイト『 日本HP 』ブランドPCを徹底評価
2010年12月記