(by Leoplanet)

動画再生支援機能と対応コーディックの要点

(ハイビジョンの映像、映画(動画)をなめらかに再生する場合に必要になっている「動画再生支援機能」について、対応コーディックの要点のみ参照できるように、用語辞典のカテ・・)
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動画再生支援機能と対応コーディックの要点

 主にDVDやブルーレイディスクで、ハイビジョンの映像、映画(動画)をなめらかに再生する場合に必要になっている「動画再生支援機能」について、その要点のみ参照できるように、用語辞典のカテゴリーにまとめて見ました。

 現在、非常に多くの種類のコーディックで圧縮された映像や動画がありますが、再生するには圧縮前の状態にもどす(デコード)必要があります。

 この時CPUのソフトウェア処理に重い負担がかかるため、ハードウェアの支援機能がグラフィックスカードにあることが非常に重要になってきます。

 動画再生支援機能は、すでに2004年のGeForce 6 シリーズ発売の頃からあり、PCの進化と共にその規格も発展し、現在のブルーレイ(Blu-ray 3D)が再生出来るところまでに成長して来ました。
(この記事は2012年1月時点のものです。)

【DxVA対応とは】

 DxVA(DirectX Video Acceleration)は、Microsoft社がWindows向けに用意したデコードやビデオレンダリング(計算によって画像化)をハードウェア・アクセラレーションするためのAPIである。DxVA2.0まで拡張されている。

 CPUに負荷が集中する作業(不連続コサイン関数の逆変換(IDCT)やモーション補正といった処理)をグラフィックスに内蔵のGPU側に切り離して渡す役割のAPIである。

 これを利用するため、NVIDIA社のGeForce系カードには「Pure Video HD」、AMD社のRadeon系カードには「ATI Avivo (HD) technology」という動画再生支援機能が搭載されている。

 現在の最新バージョンは「Pure Video」では、PureVideo HD(VP4)、「ATI Avivo 」のデコーダでは、「UVD3.0」である。

 この機能では、MPEG2、H.264やVC-1などの圧縮動画コーディックのデコード以外にも、GeForceで走査線ズレの低減、Radeonは鮮やかな発色となめらかな階調表現を支援するとも言われている。

 現在の「Pure Video」や「ATI Avivo (HD)」の持っている動画再生支援機能の具体的サポート項目は、下記の4つである。(引用出典は、DOS/V POWER REPORT「Vista時代の最新ビデオカード総まくり(2010年頃)」

 また、ハイビジョン動画像のなめらかな再生には、DxVA 対応再生ソフト(Adobe Flash Player、PowerDVDなど)で、かつ「DxVAを使用」といったソフトの設定にチェックを入れる必要がある。

【スケーリング(アップスケーリング)】

 「Pure Video」や「ATI Avivo (HD)」は、スケーリング処理をサポートしている。

 高解像度のPCディスプレイや液晶テレビなどを用いて大画面で楽しもうとしたら、例えば、720×480ドットの映像をモニタやテレビの解像度の1920×1080ドットにまで引き伸ばしてやる(アップスケーリング)必要がある。

 こうした処理をスケーリングと言い、ATI Avivo (HD)やPureVideoでは、機能の一つとしてサポートしている。スケーリング処理では低解像度の映像を高解像度で出力することから、もともと粗い映像情報を補うための精度がポイントとなる。

【ノイズリダクション】

 「Pure Video」や「ATI Avivo (HD)」は、映像のざらつきを低減する「ノイズリダクション」機能もサポートしている。

 とくにアナログテレビ放送の映像で気になりがちな、映像のざらつきや映像のフレーム内に入ってしまったゴミを抑えられるようになる。ほかの機能と比較すると目立つ機能ではないが、映像を表示する際の品質には大きく影響するポイントでもある。

【デ・インターレース】

 「Pure Video」や「ATI Avivo (HD)」は、さらに「デ・インターレース」というインターレースぶれノイズを解除する機能もサポートしている。

 テレビ番組などインターレース方式による映像を、PCのようなノン・インターレースのモニタで視聴すると、動きの激しい場面で、くし状のノイズ(コーミングノイズ)が発生する。

 これが起こると映像がぶれているように見え、大変目立つ。このため、インターレースの映像をPCで視聴する場合には、まずそのノイズを除去する必要がある。それがデインターレースである。

【デコード機能】

 さて下記は、「PureVideo HD」と「ATI Avivo (HD)」の、肝心のデコード機能について、具体的なデコード範囲やカード対応の要点のみをまとめて書いて見ました。

 主な引用出典は、フリーの百科事典WikiPedia 英語版からの抜粋中心です。

【 PureVideo HD 】

 PureVideoやPureVideo HDは、NVIDIA社の動画再生支援機能である。

GeForce 6 シリーズ、GeForce 7 シリーズ、G80コアのGeForce 8800モデル(GeForce 8800Ultra/8800GTX/GTS)、は、初期のPureVideo(Video Processor 1(VP1))のサポートのみである。

G84(GeForce 8600GT/GTS)やG86(GeForce 8400GS/8500GT)、G92(GeForce 8800GS/GT/GTS)コアで、初めてHD動画再生の出来る、PureVideo HD(Video Processor 2(VP2))がサポートになった。

 2008年にNVIDIA社は、オープンソースのVDPAU(Video Decode and Presentation API for Unix)と呼ぶAPIを発表し、Linux、FreeBSD、Solaris、と言ったOS向けに、PureVideo のサポートを始めた。

 下のように、VDPAU Feature Sets のレベルに合わせて、PureVideo HDのレベルも進化していて、サポートできるビデオコーディックが違っている。


第2世代PureVideo HD(Video Processor 2 (VP2))Feature Set A

・完全デコード: H.264
・部分的なサポート:MPEG-1, MPEG-2, VC-1/WMV9

 対応グラフィックスカード
:GeForce 8400 GS, 8500 GT, GeForce 8600 GT, 8600 GTS, GeForce 8800 GS, 8800 GT, 8800 GTS、GeForce 9600 GSO 512, 9600 GT、GeForce 9600 GSO, 9800 GT, 9800 GTX, 9800 GTX+, 9800 GX2、GeForce GTX 260, GTX 275, GTX 280/280M, GTX 285/285M, GTX 295、GeForce 9400 GT, 9500 GT、

第3世代PureVideo HD(Video Processor 3 (VP3))Feature Set B

・完全デコード: MPEG-1, MPEG-2, VC-1/WMV9 and H.264
(ただし、Feature Set Bの全部のグラフィックカードが、次の幅のH.264 をデコード出来る訳ではない。: 769-784, 849-864, 929-944, 1009-1024, 1793-1808, 1873-1888, 1953-1968, 2033-2048 pixels)

 対応グラフィックスカード:GeForce 8400 GS、GeForce 8200, 8300、GeForce 9300M GS, 9300 GS, 9300 GE、 ION, ION-LE,

第4世代PureVideo HD(Video Processor 4 (VP4))Feature Set C

・完全デコード: MPEG-1, MPEG-2, MPEG-4 Part 2 (DivX or Xvid などのMPEG-4 ASP)、 VC-1/WMV9 and H.264( Motion compensation and Data Partitioningを含むが、MPEG-4 Part2に対して非サポート)。
・Feature Set Cにはないが、MVC(Blu-ray 3D)に対応(H.264の3D Blu-ray discs拡張規格)。

 対応グラフィックスカード
GeForce 205, 210/G210, 310, G210M, 305M, 310M, 8400 GS, GeForce GT 220, 315, GT 230M, GT 240M, GT 325M, GT 330M, GeForce GT 240, GT 320, GT 340, GTS 250M, GTS 260M, GT 335M, GTS 350M, GTS 360M, GeForce GTX 465, GTX 470, GTX 480, GTX 480M, GeForce GTX 460, GTX 470M, GeForce GTS 450, GT 445M, GTX 460M, GT 555M, GeForce GT 420 OEM, GT 430, GT 440, GT 415M, GT 420M, GT 425M, GT 435M, GT525M, GT 540M, GT 550M, GeForce GTX 570, GTX 580, GeForce GTX 570M, GTX 580M, GeForce GTX 550 Ti, GTX 560M, NEXT-GENERATION ION,

第5世代PureVideo HD(Video Processor 5 (VP5))Feature Set D

・サポート:MVC(※注記1)やほかのフルHD 3D(1080p)を含む、4K resolution / QFHD ビデオデコード(3840 x 2160 pixelsまで)

 対応グラフィックスカード:GeForce 410M, GT 520



【 Unified Video Decoder(UVD) 】(Universal Video Decoder)

 AMD社の、Unified Video Decoder(UVD)は、H.264 やVC-1 といったビデオコーディックをデコードする変換器である。これは、ATI Avivo (HD) technologyと言われる技術のひとつである。(西川善司によると(2007年頃)、「UVDは「AVIVO HD」を実現するためのアクセラレーション技術の1つ、という理解が正しい」)

 しかし、AMDのスペック一覧表などには、Radeon HD 6900Mシリーズ発表以降、ATI Avivo HD technology が消えて、「AMD App Acceleration(AMD Accelerated Parallel Processing )※」という用語の中に括られ始めて来ているようです。ここでは、デコーダ機能のみについて記しているため、UVDとしました。

 ※注記2)AMD App Acceleration is a set of technologies available on AMD Radeon™ HD 6000 series and higher GPUs and is designed to improve video quality and enhance application performance. Full enablement of some features requires support for AMD Accelerated Parallel Processing (APP) technology and/or AMD's Universal Video Decoder (UVD). AMD Accelerated Parallel Processing technology works with applications designed to take advantage of its GPU acceleration capabilities.

 初期の、UVD/UVD+から、UVD 2、UVD 2.2、UVD 3 と今もなお進化を続けている。

UVD(ATI Radeon HD 2000 シリーズから )

 対応出来るコーディックは、H.264/AVC、VC-1であるが、ビデオの後処理はシェーダー側に渡してしまう。MPEG-2 のデコードは、UVD内ではなく、シェーダープロセッサーであるなど、本デコーダー内処理で完結できていない。

 対応グラフィックスカード
Mobility Radeon HD 2300、2400、2600 Series、Radeon HD 3200/AMD 780G Chipset、
Radeon HD 3300 IGP/AMD 790GX Chipset、Radeon HD 2400 Series、Radeon HD 2600 Series

UVD+

 UVD+からは、高解像度のHDCPに対応するようになった。ただしUVD用途。

 対応グラフィックスカード
Mobility Radeon HD 3400、3600、3800 Series、Radeon HD 3400 Series、Radeon HD 3600 Series、Radeon HD 3800 Series

UVD 2(ATI Radeon HD 4000 シリーズから )

 Radeon HD 4000 シリーズからバージョン2(UVD 2)となった。専用ソフトでアップスケール(解像度の大きいディスプレイで拡大してもジャギーなどを抑えて綺麗に見える機能)が可能になっている。

 対応出来るコーディックは、H.264/MPEG-4 AVC、VC-1、MPEG2。さらに、2つのビデオストリーム再生や Picture-in-Pictureモードに対応(Blu-ray Discの要求仕様)。

これにより、フルBD-Live(Blu-ray Discの拡張規格で、ネットワークを通じて追加コンテンツを取得したり、ゲームなどインタラクティブなコンテンツを再生するための仕様)も可能になった。

 対応グラフィックスカード
Mobility Radeon HD 4600 Series、Mobility Radeon HD 4800 Series、Radeon HD 4200/AMD 785G Chipset、Radeon HD 4800 X2 Series、Radeon HD 4800 Series、Radeon HD 4890 Series、

UVD 2.2

 さらに改良され、MPEG2、H.264、VC-1との互換性が強化された。

 対応グラフィックスカード
Mobility Radeon HD 4300/4500 Series、Radeon HD 4300/4500 Series、Radeon HD 4600 、HD4700 Series、Radeоn HD 5400 Series、Radeоn HD 5600/5500 Series、Radeоn HD 5700/6700 Series、Radeon HD 5800 Series、Radeоn HD 5900 Series

UVD 3(ATI Radeon HD 6000 シリーズから )

 Radeon HD 6800シリーズからバージョン3(UVD 3)となった。Blu-ray 3D(MPEG-4 MVC)のデコードに対応した。同時に、DivXやXvidといったMPEG-4 Part2系コーデックのデコード機能も追加された。「UVD 2」では部分的なサポートだったMPEG-2のデコード機能が、UVD3では完全な再生支援になった。

 対応グラフィックスカード
Radeоn HD 6400 Series、Radeоn HD 6500、6600 Series、Radeоn HD 6800 Series、Radeоn HD 6900 Series


 ※注記1)MVC(Multiview Video Coding)は、H.264/MPEG-4 AVCの拡張規格で、3次元映像に対応する。Blu-ray Discの3D 規格に採用されている。


 UVD3から出力されたビデオに対し、GPUを用いたパラレルプロセッシングによるポスト処理(DirectComputeやOpenCL使用)を実行し、より高画質なビデオ再生やビデオエンコードにおける性能と画質の向上を実現するという。(4Gamer.netより引用)



【関連参考ページ】
 ●グラフィック・チップ(GPU)性能比較・評価一覧表
 ●ゲームノート用GPU性能比較・評価一覧表


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