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Core Ultra CPU とは?

Intelは、2023年6月、一般消費者向けCPU「Core i」の後継ブランドとして、「Core Ultra」という新しいブランドを立ち上げ・・・
(Update 2025.8.14)

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Core Ultra CPU とは?

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2025年8月14日調査制作

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 Intelは、2023年6月、一般消費者向けCPU「Core i」の後継ブランドとして、「Core Ultra」という新しいブランドを立ち上げた。
 今回この「ultra」という単語の意味からか、ちょっと解りにくい、このCPU について、その開発・販売経過から用途まで調査して見ました。

 インテルのホームページによれば、

 最新のインテル Core Ultra プロセッサー (シリーズ 2) により、デスクトップ PC とノートブック PC で最高の AI 体験が実現し、あらゆる作業がより簡単に、より高速に、より快適になります。

 AI PC 革命がやってきました。インテル Core Ultra プロセッサー (シリーズ 2) は、AI のリーダーになるために構築されています。生産性の向上からセキュリティーと速度の向上に至るまで、インテルの AI は次のレベルのプロセッサーのパフォーマンスの鍵となります。

 などと、セールストークがありますが、メデイア各社のレビューや紹介記事からは、ちょっと違う、様々な現状が浮かび上がってきました。

 注記)Core Ultra シリーズ2とは、200番台CPUで、100番台は、モバイル向け(Meteor Lake)CPUを指します。

 ■「Core Ultra」の特徴

 AIアクセラレータNPU(Neural Processing Unit)搭載
 ハイパースレッディングの廃止(除く:Core Ultra 100:モデルナンバー100番台)

 インテルは、2023年12月頃すでにノートPC用CPUである「Core Ultra 100」 (Meteor Lake) シリーズ(Core Ultra 5 125H/135H, Core Ultra 7 155H/165H, Core Ultra 9 185H, etc )を発売している。

 このCore Ultra 100 搭載ノートPCの発売で、すぐに使えるアプリケーションとして、Intelによると,動画編集ソフトの定番の「Adobe Premiere Pro」のAIを使用した動画編集や、「Adobe Lightroom Classic」によるAI写真編集、画像生成AI「Stable Diffusion Web UI」などを、Intel AI Boostによるアクセラレーションで利用できるのだという。(参照元 4Gamer.net ; Intelの次世代CPU「Core Ultra」プロセッサが正式発表

 次に、2024年9月頃、同じくノートPC用CPUである「Core Ultra 200V」(Lunar Lake)シリーズ(Core Ultra 5 226V/238V 〜 Core Ultra 7 256V/268V 〜 Core Ultra 9 288V)を発売している。
 このCore Ultra 200Vを搭載したノートPCは,AcerやASUSTek Computer、Dell Technologies、Lenovo、HPなどの各メーカーから、2024年9月末から販売開始した。

 さらに、2024年10月、新世代デスクトップPC向けとして、新しいCPU「Core Ultra 200S」シリーズ( Arrow Lake-S)(Core Ultra 5 245K/KF 〜 Core Ultra 7 265KF/K 〜 Core Ultra 9 285K)を発表した。

 ただ,AI処理の性能は13 TOPSに留まっており、Microsoftが提唱するAI処理対応PC「Copilot+ PC」の条件である40 TOPSには遠く及ばない。
 Core Ultra 200SシリーズのNPUについて、Intelは,「Meteor Lakeに搭載したNPUと同じもの」と説明している。「Copilot+ PCの条件を満たさないNPUを、2024年後半のCPUに内蔵するのは意味があるのか」と疑問を持つ読者は多そうだが、Intelは、このNPUに自信があるそうだ。詳細は、下記の参照元を精読されたい。
(参照元は、4Gamer.net ; IntelデスクトップPC向け新CPU「Core Ultra 200S」を発表

 (注記)TOPS: 1 秒当たり実行可能な演算数を兆で表したもの。ソフトウェアとワークロードで 100% の効率性を実現した場合に AI アクセラレーターが達成できる理論上の最大値を計算した技術的仕様。

 ただし、「Microsoftが提唱するAI処理対応PC「Copilot+ PC」の条件である40 TOPSには遠く及ばない」に関しては、インテルのホームページの(Core Ultra シリーズ 2) 製品概要に、
 NEW AI アクセラレーション向けの統合 NPU およびインテル Xe LPG グラフィックスとして、プラットフォーム合計で 最大限36 TOPS という記載があった。

 第12世代Intel Core i シリーズCPUとして製品化されたAlder Lakeの、Intel 7プロセス技術から、最新のIntel 4プロセス技術へ移行した。

 このIntel 4プロセス技術によって、約2倍のエリアスケーリングが可能となった。標準セルにおいて、Intel 7のセル高は408nmだが、Intel 4では240nmにスケールダウンした。これにより約40%削減でき、さらにセル幅を17%削減が実現した。
 これら2つの削減により、50%のエリアスケールが得られた。
 さらに重要なことは、この小型化で電力削減が実現したことだった。

 3Dパッケージング技術 (Foveros)を採用



 3次元積層技術「Foveros」(フォベロス)とは、メモリダイだけでなくCPUやGPU,I/OコントローラやAI処理プロセッサ,SRAMや電源回路といった多彩な機能を立体的に実装する技術である。

 インテルは、すでに「Core Ultra 100」 (Meteor Lake) シリーズで、この3Dパッケージング技術を使用して複数のシリコンチップを組み合わせたCPUを提供してきた。

 しかし、デスクトップPC向けCPUは,現行世代の第14世代Coreプロセッサまで、モノリシック(単一のシリコンチップ)構成を続けてきた。

 新しいCore Ultra 200Sシリーズは、デスクトップPC向けとして初めて、3Dパッケージング技術を使用した製品となった。

 Core Ultra 200Sシリーズでは、CPUコアが実装された「Compute Tile」と、PCI Express(PCIe)コントローラやThunderboltコントローラなどを集積した「IO Tile」、メモリコントローラとNPUがある「SoC Tile」、Intel Xeベースの「GPU Tile」、そしてそれらが載る基板の「Base Tile」で構成された。
(参照元は、4Gamer.net ; IntelデスクトップPC向け新CPU「Core Ultra 200S」を発表

 ◆3Dパッケージング技術(Foveros)採用のメリット

 この技術で製品の構成が柔軟に行なえるようになった。

 Foverosでは、Intel自社の工場で製造したタイルだけでなく、TSMCなどの外部のファウンドリで製造したタイルも混載できることが特徴で、非常に柔軟な製品構成が可能になった。

 具体的にCore Ultraでは、CPUだけから構成されているコンピュートタイル(Compute Tile)こそIntel自社のプロセスノードであるIntel 4を採用しているが、GPUから構成されているグラフィックスタイル(GPU Tile)、NPUや低電力で動作するLP Eコアと呼ばれるCPU、ディスプレイコントローラなどから構成されているSOCタイル(SoC Tile)、Thunderbolt 4やPCI Expressなどの機能を実現するIOタイル(IO Tile)という3つのタイルはTSMCの工場で製造されたダイだ。
(参照元は、PC Watch : 複雑怪奇なCore Ultraシリーズを理解する

 PC使用時の消費電力が大幅に低下
 たとえば、Core i9-14900Kが消費電力125Wで達成する性能を、Core Ultra 9 285Kは65Wで、Core i9-14900Kが250Wで達成する性能を、Core Ultra 9 285Kは125Wで達成できるという。
 それにより,PC使用時の消費電力が大幅に低下して、主要ベンチマークテスト実行時の消費電力は、実に58%も低下しているのだそうだ。
(参照元は、4Gamer.net ; IntelデスクトップPC向け新CPU「Core Ultra 200S」を発表

 ■「Core Ultra CPU」搭載PC の用途面からの特徴

 従来の「Core i」シリーズとの性能面からの大きな違いは、初めてAI処理専用の「Neural network Processing Unit(NPU)」が搭載されたこと。

 以上から、Core Ultra CPU 搭載PC の特徴をまとめてみると、下記のようになると思われる。

 ★Core Ultraシリーズ1 (Core Ultra 100 シリーズ)
  ・Core Ultra U シリーズ(Meteor Lake-U)
   薄型ノートPC
  ・Core Ultra H シリーズ(Meteor Lake-H)
   薄型ゲーミングノートPC/プレミアム薄型ノートPC
 ★Core Ultraシリーズ2
  ・Core Ultra 200U
   薄型ノートPC
  ・Core Ultra 200V (Lunar Lake)
   プレミアム薄型ノートPC
  ・Core Ultra 200H
   薄型ゲーミングノートPC/プレミアム薄型ノートPC
  ・Core Ultra 200HX
   ゲーミングノート
  ・Core Ultra 200S (Arrow Lake-S)
   デスクトップPC

  上のCPUに搭載の、AIアクセラレータNPUに関しては、割とシンプルで、Lunar LakeのNPUだけが、Intelが第4世代NPUと呼んでいるNPUで、SKUによるが48〜40TOPSの性能を発揮し、MicrosoftのCopilot+ PCの要件を満たす。

 それ以外のMeteor Lake、Arrow LakeベースのCore Ultraはすべて第3世代NPUで、11〜13TOPS程度のAI性能になっており、Copilot+ PCの要件を満たすことはできていない。

 どれを選べばよいかと言えば、基本的にはユーザーがどのフォームファクタやアプリケーションで使いたいか次第だ。

 デスクトップPCならCore Ultra 200Sだし、ゲーミングノートPCならCore Ultra 200HXで決まりだ。
 やや悩むのが薄型ノートPCで、Core Ultra 200Hの28W版と、Core Ultra 200Vの30/15Wはキャラクター的にややかぶっている。

 こちらは純粋なCPU性能が重視ならCore Ultra 200H、GPUやCopilot+ PCへの対応、バッテリ駆動時間との兼ね合いを重視するならCore Ultra 200Vという選択になる。
(参照元は、PC Watch : 複雑怪奇なCore Ultraシリーズを理解する

 (注記)Copilot+ PCの要件:(MicroSoft 社による) Copilot+ PCの主な特徴と機能
 ★NPU搭載:
 AI処理に特化したNPUを搭載し、従来のPCよりも高速なAI処理。
 ★ローカルAI:
 NPUを活用することで、インターネット接続なしでも一部のAI機能が動作。
 ★Recall:
 過去の作業履歴を検索できる機能。AIがユーザーの行動を記憶し、必要な情報を瞬時に見つけ出す。
 ★Cocreator:
 AIが生成する画像を、ユーザーの指示に基づいて編集・作成できる機能。
 ★ライブキャプション:
 PC上で流れる音声をリアルタイムで字幕化する機能。
 ★Copilotキー:
 専用のCopilotキーを搭載し、AIアシスタント「Copilot」をワンタッチで呼ぶ。


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