(下記は、2005年から2006年頃の状況です。)
最近、店頭に並ぶようになった、流行のジャンルともいえるパソコンに、液晶一体型というのがある。パソコン・AV家電売り場に行くと各社から、多数の機種が販売されています。
ハッキリ言ってこれは、買わない方がいいデス。
最初に、このようなパソコンのいいところ、メリットをまず、挙げて見ましょう。
1.液晶型テレビのように、(ハイビジョン、ワイド液晶方式もあり)見栄えが
するので、リビングや客間に置き、家族や多人数で、DVDなど映画や、
テレビをみる用途には、マッチし、違和感がない。
(メーカーは、どうも、テレビの置き換えの需要を見込んでいる。)
2.TVチュナーやスーパーマルチDVD、250−300GB,ハードディスク
など、なんでもありの機能が付いている。拡張追加の必要がない気がして、
20−30万円台と高いのだが、トータルでは、割安のお買い得感を感じる。
3.なんでも一体型なので、(リモコン付き、キーボード、マウスは、ワイヤレス
採用が多い)面倒な接続は、必要ない。
4.移設作業するとき、分解ー接続が発生せず便利である。
しかしながら、多くの機能が一体で、作りこまれている分、本体の分解や部品交換が従来のように簡単にできません。(大きい問題は、液晶テレビ(モニター)の取り外しが出来ないことです。)
このため、メリットのはずが、一旦トラブルや不良パーツなどの問題が起こると、まったく逆の作用として働くことが出てきます。
といいますのは、パソコンは、成熟期に入ったとは云え、まだ完成された、単機能のブラウン管テレビの信頼性領域まで来ていませんし、まして多数の機能やメカニカルパーツが取り付いています。
メカは、物理的消耗・磨耗があるため、不良の発生率が高いのです。(メカではない液晶なども、バックライト(球)が切れるなど、以外に早く出ることがあります。)
またパソコンが、成熟期というのは、普及したということであり、製品・商品としては、まだまだ完成度が低いと筆者は、思います。というのは、ハードウェアとソフトウェアを合わせると、1年に一度くらい、大きな革新的進歩がまだ続いているからです。
2005年の大きな進歩は、4〜6月頃の64ビットOS:Windows XP Pro X64やデュアルコアCPUの発売開始などです。どちらも大きな革新と言えます。2006年は何が起こるでしょうか?
メーカーには、失礼な話かも知れませんが、パソコンは、まだ壊れる確率が高い部類に入る商品です。また、1年に一度くらい、大きな革新的進歩が起きる商品です。
したがって、現状では、パソコンは、部品が壊れることあるいは、性能アップすることを前提として、買う必要があると思います。
こう考えたとき、車であれば、安く修理、あるいは、取付け改造、性能アップしてくれる工場があちこちにありますが、この手のパソコンは、まず、メーカー修理しか効かない場合が多いのです。
しかも、ご存知の人も多いかと思いますが、このメーカー修理・改造代が驚くほど高いのです。
たいてい1年保証は付いてますが、1年後に壊れたらどうしますか? 普通のノートパソコンでいまでも、液晶パネルに何かが当たり、ヒビ割れてしまった、(メーカーに見積りしたら、高いので)安く修理できないかと、相談を受けます。答えはノーです。メーカーは、専用の液晶パネルを外部に出しません。
高価な、この液晶一体型パソコンは、文字通り、液晶パネルが本体と一体なので、取り外したり、市販品との交換や代替が効かないのです。したがってヒビ割れた場合は、コストの高いメーカー修理しか方法がありません。(分離されてるだけで、数万円の市販の液晶モニターの出費で、パソコンとしては、元に直るのです。)
液晶がヒビ割れる場合を言ってしまうと、じゃあハイビジョンワイド液晶テレビなんてとても買えないね、ということになります、マア確かにその通りです。液晶がヒビ割れることなんてまず起こらないので、とりあえず除外しときます。(が、パソコン利用では、意外と液晶に何かが当たるようです。)
話をもとに戻しますと、いずれにせよ、不良の発生率が高い、壊れやすいメカ・パーツ代表である、光学ドライブや、ハードディスクが故障したとき、安く修理・交換できないという問題は、最後まで残ります。(メーカーは、通常のパソコンより、壊れにくいものを使ってると反論するでしょうが。)
次に問題なのは、拡張性や性能アップなどがしにくい、出来ないなどの点が挙げられます。
パソコンは、成熟商品となったと考えられる現在でも、最低限のこととして、メモリーやハードディスクの増設・交換が、あるいは光学ドライブの高性能化による交換などが必要になることが出てきます。
また、64ビットOS:Windows XP Pro X64に非対応のマザーボードの一体型パソコンを2005年4〜6月以前に買った場合、もう64ビットOSに性能アップ出来なくなります。また、デュアルコアCPU搭載にも、アップグレード出来ないでしょう。
おそらく、この液晶一体型パソコンで、ハードウェア初心者のあなたが出来る作業は、メモリーの増設くらいかも知れません。より高性能の、1年後?に出てくる、50倍速のスーパーマルチDVDドライブに性能アップできるでしょうか?
このマルチDVDとして、スリム型ドライブが採用されてる場合が大半ですが、実は、このスリム型には、前から問題があるのです。
過去(現在)のスリム型ドライブ搭載のメーカーパソコンで、互換性のあるドライブに交換すると、
CDブート出来ないものが、かなりあります。(BIOS が認識しないので、OSの再インストールが出来ないということです。)おそらく、この液晶一体型パソコンでも、この問題にぶつかると予想されます。
最後に、メーカーがこのようなパソコンを発売するおおきな理由は、いくつか考えられます。
1.一体化すれば、高額商品化でき、付加価値つまり、企業の利益も多くでます。
2.仕様面で独自性がでて来て、他社との比較がしにくいので、商品として競争力が増す。
3.安値競争で苦しんできた、パソコンとの直接の価格比較ができなくなり、利幅が取れる。
4.修理や性能アップも、メーカー業務となり、さらに利益がでる道が開ける。
などたくさんありそうです。
以上を総合的に考えると、この液晶一体型パソコンは、買ってから壊れるまで(5年程度でしょうか、その前に壊れたら、メーカーで(高額の有料)修理し)何もいじらず、メーカー提供の仕様のまま大切に使ってくれる、比較的裕福な、そしてパソコンとしてはあまり使わない(おまけの機能だという)、ユーザーに向いているといえる商品ということになりそうです。
もしパソコンを使い慣れた方が、パソコン利用として買うのであれば、少なくとも、スリム光学ドライブや、ハードディスクが安く修理や交換できるような構造設計がなされ、パーツの互換性がうたわれるまで、(できれば、液晶も、汎用単品販売品と簡単に、取り外し交換、コネクタ接続できるようになるまで)待ちたいものです。
きっとなります。結論:いまは、買わない方がいいデス。
もし、どうしても大型のハイビジョン液晶テレビが欲しいのであれば、テレビとして購入しましょう。パソコンのモニター入力端子も付いているものがありますので、小さなパソコンをそこに持ってくれば、パソコンのモニターとして使えるでしょう。
テレビとして購入し、パソコンモニターとしても使うというニッチ分野でヒットしている商品に、韓国のサムソンが発売の32インチ薄型液晶テレビがあります。薄型テレビ機種別・激安価格をネット検索のページから検索すると本日の最安値が分かります。
あるいは、(パソコンがメインの人は、)大きな画面のデジタルチューナー付きパソコンを購入し、パソコンの画面で、ときどきテレビを見ましょう。
それでも写真のソニー製品など、いますぐ買いたい方や購入検討中の方は、こちらのソニースタイル
から、チェックできます。
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2006年6月追記
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