始めに

ここでは、構築しやすいIDE RAIDを中心にその設定やRAIDレベルの解説などをしていこうと思います。

No.1〜No.3 No.4〜
RAID System Tutorial
RAIDレベル
No.1

  さて、一口にRAIDと言っても、その構成には6から7種類ほど「RAIDレベル」というものがあります。
  良く知られているものが、「RAID 0」 「RAID 1」「RAID 0+1」あたりでしょうか。

  ☆ 「RAID 0」(別名:ストライピング
     データをストライプ単位(数KBなど)に分割して、2個以上のHDDに記録していきます。複数のドライブが
    並列アクセス可能であれば、単純計算でディスクのREAD・WRITEにかかる時間はディスク台数分の1となり、
    それだけの高速化が見込めます。
     エラー防止の機構を持たないので、純粋に高速化のためだけのRAIDと言えます。

  ☆ 「RAID 1」(別名:ミラーリング
     2台のHDDにまったく同じ内容を記録することで、データに冗長性を持たせ、ディスクの信頼性を高める
    性質を持ちます。片側のHDDが壊れてもデータはもう一方に同一内容が記録されているわけですから、
    ディスクシステムの信頼性は飛躍的に向上しますが、データの記録効率は伸びません。
  ☆ 「RAID 0+1
    単純に「RAID 0」と「RAID 1」を組み合わせたものです。4台のHDDを使い、ストライピングの2台を
    もう2台のHDDでミラーリングを行います。
    高速性とデータの信頼性の両立となりますが、データの記録効率はミラーリングと同じく半分程度に
   なってしまいます。
RAID System Tutorial
RAIDカード
No.2

  主なIDE RAIDボードと搭載しているコントローラを紹介しましょう。}

 ☆PROMISE Technology(以下PROMISE)
   FASTTRACK100 「PDC20267」 Ultra-ATA/100,RAID 0,1,0+1
   FASTTRACK66 「PDC20262」 Ultra-ATA/66,RAID 0,1,0+1
   SUPERTRACK100 「i960+PDC20265*3」 Ultra-ATA/100,RAID 0,1,0+1,3,5
   SUPERTRACK66 「i960+PDC20262*2」 Ultra-ATA/66,RAID 0,1,0+1,3,5

 ☆HighPoint Technology(以下HPT)
   HotRod 100 Pro 「HPT370」 Ultra-ATA/100,RAID 0,1,0+1 (ABIT)
   SIDE-RAID66 「HPT368」 Ultra-ATA/66,RAID 0,1,0+1 (Iwill)

 ☆American Megatrends(以下AMI)
   Hyper Disk 100 「MG80649」 Ultra-ATA/100,RAID 0,1,0+1
   Hyper Disk 66 「MG80648」 Ultra-ATA/66,RAID 0,1

 ☆3ware
   Escalade 6800 「DiskSwitch*4」 Ultra-ATA/66,RAID 0,1,0+1
   Escalade 6400 「DiskSwitch*3」 Ultra-ATA/66,RAID 0,1,0+1
   Escalade 6200 「DiskSwitch*2」 Ultra-ATA/66,RAID 0,1,0+1

 ☆Adaptec
   AAA-UDMA 「AIC-7815G」 Ultra-ATA/66,RAID 0,1,0+1,5

  この中で人気が高いものはPROMISE製「FASTTRACK100」と、ABITから販売されたHPT370搭載の
 「HotRod 100 Pro」 です。PROMISEは高い信頼性で、HPT製はどちらかと言えば低価格な点が
 人気の理由でしょう。
  それに比べ、AMIは知名度が低く、3ware、Adaptecはハイエンド志向でどちらかと言えばサーバー関係
 Linuxなどをターゲットにしている傾向が見られ、価格的にも4,5万円オーバーの個人では考えない価格帯です。
 PROMISE「SUPERTRAK」シリーズも3ware等に対抗するために開発されたものと見受けられます。
RAID System Tutorial
RAIDアレイ構築
No.3

  RAIDアレイを構築する際の注意点。
  最近では大容量のHDDが増えてきて、40,60,80GBなど信じられない大きさになってきました。
  しかし、こういった大容量HDDでRAIDアレイを構築する際に、OSによる容量の制限や、一部の
 RAIDカードによる認識限界を知っておくことで無駄なく構築できると思います。

 ☆容量の制限
    32GB……Windows2000において、FAT32を使用する際の限界容量。
    75GB……AMI「MG80649」使用の製品において
           「HyperDisk BIOS Version 2.3.0629116ATA100」
          の場合、RAID 0 時のフォーマット容量75GB以上を認識しない。
          (ファームの更新で対応(RIOWORKS,Iwillは対応済み))
    137.4GB(128GB)……Iwill製「SIDE-RAID66」の最大フォーマット容量。
          (34GB/台の制限もある)
          Windows95OSR2,Windows98でのFAT32を使用する際の1パーティションの限界容量。
    429GB……3wareのEscaladeシリーズに付属のユーティリティソフトの使用限界。
          (バージョンアップによって、2199GBまで対応)
 ☆接続の規則(2例ほど紹介)
    2台RAID0の場合。
      各ドライブをIDEコネクタ1,2のマスターにそれぞれ繋ぐ。
      IDE1にマスター/スレーブで接続してはいけない。(例外あり)


    3台のRAID0の場合。
      1台目・2代目のドライブをIDEコネクタ1,2のマスターにそれぞれ繋ぐ。
      3台目のHDDはIDE1のスレーブで接続しなければならない。(例外あり)


 ☆HDDの組み合わせ
    原則として、同一メーカー、同一容量、同一型式製品を使用すること。
    別のメーカーの5400rpm/7200rpmHDDでも組めてしまうことがありますが、速度差の違いによって
   期待する速度・信頼性が得られないばかりか、容量にいたっては少ないほうが基準となるアレイが
   出来ることになるのでお薦めできません。
    (20GBと30GBでのRAID 0 は 20GB+30GB=50GB ではなく、20GB * 2 = 40GBとなります)

 ☆物理的な部品や、設置、電源に注意!
    いざ構築と、HDDを購入してもケース内に設置場所がなければ取り付けが出来ず、5V電源コネクタが
   すでに使い切っていたら動かせません。
    ふだん使っている電源がRAIDによって容量不足になり、システムが不安定になってしまったり、
   ケーブルが煩雑になってケース内の空気の流れが悪くなり、熱が逃げなくなってしまうなど、
   一口にRAIDと言っても条件はやや厳しいものかも知れません。
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