(本ページはプロモーションが含まれています)
本ページは、2006年11月頃制作の古い内容ですが、マルチコアCPUが当たり前の現在、CPUの技術の進歩・発展経過を残すため、新ページ:【デュアルコアCPU パソコン入門】+【初心者のコア2デュオ(Core 2 Duo) CPU 入門】 に移転しました。
このため、新しいページに1秒後にジャンプします。
2006年初のモバイルCPU 『 Core Duo 』発売、そして、8月の『 Core 2 Duo 』の発売で、AMD のAM2 と共に、本格的なデュアルコア CPUの時代がやって来ました。
( → 【デュアルコアCPU パソコン入門】(2005年デスクトップ向)
デュアルコア ノートパソコン入門のページは、別です。)
CPUについて、詳しくない方は、違いがよく分からないと思いますので、本文は、『 Core 2 Duo 』と、『 Core Duo 』も含め、従来の CPU (Pentium 4 、デュアルコアPentium D) との違い中心に、書きたいと思います。
★【インテル戦略が変わった】
Pentium 4 、Pentium D と続いた、「NetBurst マイクロ・アーキテクチャ」から、「Core マイクロアーキテクチャ」へと大きく変わったと、あちこちに、よく書かれています。
(雑誌などは、営業上の理由で、悪く書けないので)筆者がはっきり簡単にいってしまうと、インテルは路線的に失敗していたと思います。それを今回、お釣りがくるほどに、大幅に、取り戻した(AMD を超えたと思われる)のです。
経過から見れば、分かり安いと思います。Pentium 4 に、Prescott(プレスコット)コアが登場した頃から、
性能を上げるため、ひたすら高周波数化(高GHz、高クロック化)路線を走りました。
一方、競争相手のAMD 社は、CPU の処理効率が高いので、低クロック、つまり低消費電力で、Pentium 4と同様の性能を出していると、ハードウェア初心者にやさしいCPU選びなどに、繰り返し書きましたように、
低周波数(低GHz、低クロック)で、インテルと同一性能のCPU (Athlon XP 系列)を発売していました。しかし、(アンチジャイアンツ?、反体制派の?)良さがわかるマニアックな人にしか買ってもらえませんでした。
インテルの CPU は、雑誌などに大きく書かれ、黙っていても良く売れるので、これで良かったのかも知れません。2番手のAMD 社のCPU は、性能が同等以上でないと、ユーザーに買ってもらえません。この状況が長く続きました。
インテル戦略の変わり目は、恐らくPentium M というモバイル向きCPU からと思います。この CPU は、低速度、低消費電力でありながら、パフォーマンスが良くて、マニアに圧倒的に支持され、これ専用の2万5千円以上の高いマザーボードがよく売れたのです。(もちろんデスクトップ用)
(2005年) デュアルコア、Pentium D 時代になり、さらに顕著なった電熱器のように発熱する(PentiumD 960:3.6GHZ:130W )高周波数の CPU を、一般ユーザーも、あまり支持せず、この路線の限界が出てきたのかも知れません。
(もちろん、ADSLなどブロードバンドの普及で、一般ユーザーは、力ずくの高速CPU は、必要としなくなり、むしろ、Pentium M のような、あまり発熱しない、処理効率の良い CPU を求め始めたという状況もあります。)
★【 Core マイクロアーキテクチャの5機能】
てっとりばやく結論から先に言うと、『 Core 2 Duo 』になって、従来のデュアルコア、Pentium D から、大きく処理効率が上がって速くなり、消費電力が下がったと、そして
『 Core Duo 』に対しては、これを(SSE 演算などで)改善して、『 Core 2 Duo 』と名前を変えた?という印象を、筆者は持ってます。そのくらい、『 Core Duo 』で、すでに性能があがっていたと感じていました。
さて、Pentium M からの流れのマイクロアーキテクチャと、Pentium 4 から続く、「NetBurst マイクロ・アーキテクチャ」との良い点を取り入れて、完成したのが「 Core マイクロアーキテクチャ」(固有名詞)といわれています。
Pentium M からのマイクロアーキテクチャの流れに、当然、『 Core Duo 』がありました。2006年はじめ頃、デュアルコア ノートパソコン入門の頭の部分で、筆者はその高性能ぶりを書きました。
『 Core Duo 』から採用された「 Core マイクロアーキテクチャ」の機能から見てみますと、
『スマート・キャッシュ』機能があります。これについては、デュアルコア ノートパソコン入門に詳述したので、簡単にいいますと、
従来のデュアルコア、Pentium D が、AMD Athlon64 X2 に比較して劣っていた、つまりボトルネック( 外部の、FSBバスを通じて、データ交換する方式)を改善し、AMD の2次キャシュ間の相互データ交換機能(System Request Interface)と同等のもの、つまり『スマート・キャッシュ』と呼ぶ機能を開発したのです。
1.『 Core 2 Duo 』では、さらに『スマート・キャッシュ』を発展させた、
『進化型スマート・キャッシュ』の採用。
進化した部分は、1次-2次キャシュ間のバス幅(帯域幅)を2倍に、
容量も2倍(2MB→4MB)とした点のようです。これは、かなりの
効果が期待されます。
さらに、『 Core 2 Duo 』に追加された4つの機能を列挙しておきます。
1クロック当たりの命令処理数、IPC ( Instruction
per Cycle )を増やすことで、周波数を上げずに、演算処理効率をあげ、消費電力
を落とす、これが「 Core マイクロアーキテクチャ」の主目的です。
2.ワイド・ダイナミック・エクスキューション
・1クロック当たり最大4個の命令をフェッチ、デコード実行可能。
(従来は、最大3個)
・2つの連続した命令を1つに置き換えて、まとめて実行する機能など。
(Macro Fusion機能)
3.アドバンスト・デジタル・メディア・ブースト(SSE 演算の強化)
SSE 演算器を、2倍の128 ビット化したので、従来の2サイクルの演算が
1サイクル処理に速度アップ。
4.スマート・メモリー・アクセス(メモリーアクセス待ち時間の改善)
待ち時間を減らすため、プリフェッチ(先読み)技術を強化した。具体的
に、メモリーアドレスの規則性を解析し、先読みできそうなら、投機的に実
行するというもの。失敗しても従来通り、成功すれば速くなるという発想の
ようだ。その他、メモリー・ディスアンビギュエーション(あいまい解消)
などがある。
5.インテリジェント・パワー
・各CPU コアが独立して、ACPI(Advanced Configuration & PowerInterface)
動作。
・各CPU 動作中でも、64 ビット処理時など、不要回路の半分は節電オフ。
★【 Core 2 Duo の、その他 CPU との性能比較・評価】
技術的なことは、それくらいとして、性能はどれ位なのか、ここで、日経WinPC 9月号での、Pentium D と Athlon64 X2 との比較ベンチマークテスト結果などを少し紹介しておきます。
※その他参考:多和田新也のベンチマーク速報
インテル参照ページ:Core2 プロセッサー・ファミリー )
下記の評価は、すべて、デュアルコア、PentiumD 930 :3.0GHZ を100% の性能とした時の、『 Core 2 Duo 』 E6700 (2.67GHZ、65W、以下同)の評価のスコアです。
1.【 PCMark05 というマルチ処理性能評価用のベンチ】
『 Core 2 Duo 』E6700 は、Pentium D:930(3.0GHZ) の+39%のスコア,Athlon64 X2 5000+(2.6GHZ) の+22%のスコアが出た。従来最上位の、Pentium EE 965(3.73GHz)を+6%上回る。
2.【 3DMark06 という3Dゲーム性能評価用のベンチマーク】
『 Core 2 Duo 』E6700 は、Pentium D:930(3.0GHZ) の+54%のスコア,Athlon64 X2 5000+(2.6GHZ) の+17%のスコアが出た。従来最上位の、Pentium EE 965(3.73GHz)を+12%上回る。
3.【 TMPGEnc4.0XPress という、動画のエンコード(MPEG2)処理性能評価用のベンチマーク】
『 Core 2 Duo 』E6700 は、Pentium D:930(3.0GHZ) の+45%のスコア,Athlon64 X2 5000+(2.6GHZ) の+45%のスコアが出た。従来最上位の、Pentium EE 965(3.73GHz)を+35%上回る。
ちなみに、『 Core Duo 』T2600(2.16 GHz) の+64%のスコアが出ていて、『 Core Duo 』からも、大幅に性能が上がっている。(『 Core Duo 』で、この性能は、唯一、Pentium D:930より劣っていた。)
4.【 おなじみスーパーパイ 演算 】(デュアルコアは、効かないので、演算性能の差が出る)
『 Core 2 Duo 』E6700 は、Pentium D:930(3.0GHZ) の−55%のスコア,Athlon64 X2 5000+(2.6GHZ) の−42%のスコアが出た。従来最上位の、Pentium EE 965(3.73GHz)から、−42%のスコアと速くなる。
また、もう1つの関心事項である、消費電力に関しては、負荷時のシステム全体の動的測定結果ではあるが、
『 Core 2 Duo 』 E6700 は、100〜149W であり、Pentium D:930(3.0GHZ) の118〜172W に対して、−15%以上改善、
Athlon64 X2 5000+(2.6GHZ) の101〜182W に対しても,低い結果が出た。従来最上位の、Pentium EE 965(3.73GHz)の、144〜243W に対しては、−31%以上大幅に低い結果が出た。
以上、日経WinPC ベンチマーク報告からの引用やデータ算出の結果からも、その性能のすごさが、具体的な数字として、理解できるかと思います。
次回は、【 コア 2 デュオ(Core 2 Duo) 搭載パソコン、人気ランキング 】というのを書いてみたいと考えています。ご期待下さい。
2006年11月記。
★関連記事のページ
●ハードウェア初心者にやさしいCPU選び−intel編
●ハードウェア初心者にやさしいCPU選び−AMD編
●デュアルコアCPU パソコン入門のページ(デスクトップ)
●デュアルコア ノート入門のページ
|